出版後記
今回は本の内容から、日本を中心とした「あとがき」となりましたが、私の信条は「世界市民であれ」です。その目でウクライナやガザの問題を私なりに捉えています。イランの問題は問題外と思えてなりませんが。
訳者あとがき中で、「大戦全体を俯瞰して見たとき考えさせられる点」として、「日本人の戦略的視点」のみを書きましたが、強く感じている点が他にもあります。一般的に広く知られていることなので別段新しくもなく書かなかったのですが、「レーダーの重要性」と「情報戦への日本軍の無理解」です。
レーダーは太平洋、大西洋、地中海、あらゆる戦域で決定的な役割を果たしました。ミッドウェー海戦で、日本海軍がレーダーを持っていたら、米軍の急降下爆撃機の接近を事前に察知できて、低空にいた直掩の零戦隊を迎撃に向かわせることができたとともに、空母艦上をそれに備えることができ、あれほどの被害を出さずに済んだでしょう。さらに、米軍機の動きと駆逐艦嵐の動きをレーダーで捉えていたら、嵐に本隊へ向けわせるのを止めさせ、機動部隊が発見されずに済んだ可能性さえあります。一方、飛龍の攻撃隊は米軍のレーダーによって戦闘機の迎撃を受け、彼らだけではヨークタウンを撃沈するに至りませんでした。マリアナ沖海戦でも、米軍のレーダーによって戦闘機の待ち伏せにさらされて大きな被害を出しました。戦艦大和の最後の出撃を発見したのも米潜水艦のレーダーであれば、空母信濃の出航を発見して撃沈したのも米潜水艦のレーダーです。他にも第二次ソロモン海戦における空母龍驤の喪失、サボ島沖海戦の経緯、第三次ソロモン海戦で米戦艦ワシントンからのレーダー照準砲撃で戦艦霧島を失ったこと、欧州戦域では、マタパン岬沖海戦でレーダーが決定的役割を果たしたこと、ノール岬沖海戦で英戦艦デューク・オブ・ヨークがドイツ戦艦(巡洋戦艦)シャルンホルストを撃沈したこと等、様々な場面でレーダーが決定的な力を発揮したことは、本書で示されているとおりです。
情報戦については、米軍ハワイのステーション・ハイポと英国のブレッチリー・パーク(ともに暗号解読機関)が、戦局の軌道に決定的とも言えるほどの重要な役割を果たしたことが、本書で示されています。ナチスドイツもB-ディーンストという暗号解読機関を持ち、情報戦には力を入れていたことが示されています。ポートモレスビー攻略(その結果起こった珊瑚海海戦)や、ミッドウェー海戦、山本五十六長官の戦死などで、日本軍の暗号が解読されて致命傷となったことは、よく知られているところです。その一方で、日本軍が米軍や英国軍の秘密情報を入手して成果を上げたという話は出てきません。英語を敵性語として排除するなど、日本人は本質をわかっていなかったという印象をぬぐえません。現代の日本人が、そのような特性を引きずっていないことを願うしかありません。
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今回の翻訳では、作業のスピードアップを図るためと、訳の正確さを期すために、みらい翻訳とDeepL翻訳を活用させていただきました。勿論、訳出された文は、私が原文(英文)と照らし合わせて検討加工しており、責任は私にあります。 |
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(訳の過程でAI翻訳を使用する法的瑕疵を国立国会図書館に尋ねたところ、国会図書館では、内容による区別は行っておらず、法令解釈については法令を所管する官庁、例えば文化庁著作権課に問い合わせてください、とのことでした。
そこで文化庁の著作権に関するポータルサイトに問い合わせたところ、問い合わせ内容が著作権等の侵害に関するものではないと考えられることから、当窓口では対応できず、法テラス等を利用してください、とのことでした。
また、「AIと著作権に関する考え方について」(令和6年3月15日、文化審議会著作権分科会法制度小委員会)でも、「著作権法は、著作物に該当する創作的表現を保護し、・
・ ・ 誰が表現して も同じようなものとなるものは著作物に該当しない」と記されています。
私は翻訳出版は現在過渡期に入っており、10年後には翻訳者を必要とせず、AI翻訳だけで翻訳書が出版できるようになるかもしれない、と考えています。) |